地元のさいたま市で3回目となる芸術祭が開かれています。
各地の芸術祭を巡ってきた私ですが、
やはり地元さいたま市の芸術祭は応援したい。
なので張り切ってフリーパス買っておいたものの、
M3準備で忙しく開催から1ヶ月程して
ようやく足を運んだのでした。
会場は昨年お役目を果たして閉館された
大宮の市民会館。
何か分からないものを映し出す、
巨大モニター。
今回指揮を取っているのは、
目(me)というアートのグループ。
見た事あるお名前だな?と思ったら
2016年の香川の瀬戸内芸術祭で
小豆島の古民家をまるごと
迷路のように魔改造した作品を作った方達でした。
最近では、リアルな顔の気球を上げて、
まるで怪奇漫画家伊藤俊二の生首気球だ!っ
例えられ話題になってましたね。
わりとぶっ飛んでいる作品を作られる方々。
期待大です。
ただね、いくら公式サイトを見ても、
ツイッターで検索しても
どのような作品が見れるか
さっぱり分からないので、
事前情報では
ちっとも面白そうではないのです。
で、実際行った後の感想は、
芸術って絵とか彫刻とかのことでしょ?
な認識の人を連れて行ったら、
一つも作品がないじゃないか!!
って鬼オコしそうな攻めすぎてる内容。
実際見てるうちはなんだこりゃ?でしたが、
しかし、帰ってきてから反芻し、
あれはなんだっのか?とモヤモヤし、
もう一度確かめに行きたくなる、
不思議な空間だったのでした。
まず、会場地図を見てほしいのですが、
これ、ゲームのダンジョンの攻略でよく見るやつやん。
迷って建物内を探索しながら、
これ作品なの??ってものを見つけ出す、
それが芸術なのです!
という事っぽいです。
あちこち、アクリルで仕切られていて、
人が居て見えるけど行けない空間がある。
建物内全体が作品なのだ?!
こちらは大ホールに通路が。
ホールでは音楽、演劇、映画等出し物が行われて、
リハも本番も通路をうろうろ出来ちゃう。
舞台の裏側まで来てOK。本番中も。
楽屋の方の裏の通路も見学可。
この芸術祭の、もう一つの見どころ。
スケーパー
スケーパー。
スケーパー、オフィシャルから説明を借りると
1「虚」の存在であってはならない。つまり、誰にも全く気づかれない存在であってはならない。
2「実」の存在であってはならない。つまり、何らかのパフォーマンスや人為的な行為であることが判明してはならない。
だそう。
要するに仕込みの人だけど、
仕込みだと思われては行けないみたいな。
行った日は、
何やら原稿のアイデアを考えてるような、
スケーパーさんが。
他には、こ綺麗すぎる清掃員、
立ち入り禁止空間に動かず座り込む謎の人、
絵に描いたような絵を描く人、
違和感があるのは仕込みの人だと分かりましたが
だんだん、あの人もそうかな?とか疑うようになり
椅子に座って休んでる普通の来場者もスケーパーに見えてくる。
見わけがつかなかったのは、
ボールを持ったスポーツ少女と
その母親みたいな方。
そんな格好で来ないよねと思いつつ、
普通に会話してたので違うのかな??とか、
頭がバグった。
混沌とした会場内。
巨大ポートレート写真は
毎日別の人に変わるという。
別の日は別の人だった。
鏡越しに見るとちゃんと女の子。
迷路のような館内をうろつく中の醍醐味、
普通なら入っちゃダメそうな地下階段に入れちゃう。
いけない場所に侵入してる気分で良き。
意味があるのかないのか、
破れた花瓶とホウキ。これも作品なのかー。
ここも空間展示。
この自販機も作品。
実際にコーヒーが買える、800円。
この階段下に缶を捨てるまでが作品らしい。
意味わからんけど。
今は使ってない事務所も、、作品なのか??
一回外に出たら、
先程入った地下階段の入り口には
アクリルの壁の向こうでもう入れない。
作品じゃないけど、
萌える鉄ハシゴ。
映像展示。
これも作品なのか??謎の洗濯物。
倒れた自転車とレモン。
近くの係の人が、おばさんにこれは何という作品ですか?って聞かれて困っていた。
題名なんてないでしょ。。
別の日に行ったらレモンが
テニスボールに変わってた。
一通り見終えて、
目に見える分かりやすい作品はなく、
迷路のような空間自体を楽しむと、
そこにいる人や物が仕込みなのか
仕込みじゃないのかモヤッとする
がこの芸術祭の醍醐味でした。
いろんな層が来る想定の
市がやる芸術祭にしては、
会場内に作品の説明がなく、
見て勝手に感じてねって突き放しすぎで、
普通の市民は付いてこれなそうで、
心配ではありますが。
芸術祭玄人の私は十分楽しめました。
あと、フリーパスを買うと無料で、
大ホールの出し物を見放題なので、
それはお得かと。
行くたびに置いてある
謎のぬいぐるみが増えたり減ったりしてたり
変化を楽しむのもコンセプトらしい。
メイン会場以外の作品は全然見れてないのですが、
お隣の市役所には分かりやすい作品がありました。
メイン会場にもポップな作品を
いくつか置けばとっつきやすかったのにね。
とりあえずメイン会場が
目で見て映える作品じゃないので、
ホームページ見ても、
写真だけ見ても全然面白そうじゃないのが損してる。
実際行って古い建物のリアルダンジョンを
地図を片手にあちこち迷いながら
スケーパーを探してみて欲しい。